特定技能の住居費ルール:家賃上限と徴収禁止費用
特定技能1号の社宅では、敷金、礼金、仲介手数料、更新料を本人から徴収できません。出入国在留管理庁の運用要領に基づき、家賃と光熱費の上限、申請書類、賃金控除の要件を整理します。
特定技能1号の外国人を会社の借上げ住宅に住まわせる場合、家賃は借上げ費用を入居者数で割った額が上限で、敷金、礼金、仲介手数料、更新料などは本人から徴収できません。根拠は上陸基準省令の費用負担に関する基準と、出入国在留管理庁の運用要領です。
徴収禁止費用を請求した場合の影響
出入国在留管理庁は、2026年10月(令和8年10月)版の特定技能の運用要領を公表しています。運用要領では、会社が賃貸人と契約して借り上げた住宅について、敷金、礼金、保証金、仲介手数料、更新料、中途解約時の違約金を特定技能外国人に負担させることはできないとされています。
出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令の特定技能1号の項第5号では、食費や居住費など定期的に負担する費用について、本人が内容を十分に理解し、合意していることが求められます。その費用は実費または適正な額でなければならず、明細書で示す必要があります。礼金や更新料を本人負担とする記載が雇用条件書(参考様式第1-6号)にあれば、在留資格の申請時にこの基準に適合しないと判断されます。
さらに、その費用を給与から差し引く場合には労働基準法の問題も生じます。同法第24条第1項は賃金の全額払いを定めており、法令に根拠のない控除には、過半数労働組合または過半数代表者との書面による協定が必要です。協定なしに家賃や礼金を控除すれば、入管法上の基準違反に加えて、労働基準法違反にもなります。
住居形態ごとの家賃と光熱費の上限
1号特定技能外国人支援計画には、適切な住居の確保に係る支援を必ず盛り込む必要があります。特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令第3条第1項第1号ハがその根拠で、本人が自ら賃貸借契約を結ぶ場合に会社が連帯保証人となることも、この支援に含まれます。会社が住居を提供する場合の費用の上限は、住居の形態によって次のとおり異なります。
| 項目 | 徴収できる額の上限 | 徴収できない費用 |
|---|---|---|
| 借上げ住宅の家賃 | 借上げ費用(管理費、共益費を含む)を入居する特定技能外国人の人数で割った額 | 敷金、礼金、保証金、仲介手数料、更新料、違約金 |
| 自己所有住宅の家賃 | 建築費または改築費(土地代を除く)、耐用年数、入居者数を基に算定した合理的な額 | 根拠のない上乗せ分 |
| 光熱費 | 実費を、同じ住居に住む全員の人数で割った額 | 実費を超える額 |
光熱費の按分では、会社の職員やその家族が同じ住居に住んでいる場合、その人数も分母に含めます。特定技能外国人の人数だけで割ると、本人の負担が実費を超えるおそれがあります。
食費の上限
食費も費用負担の基準の対象です。食材や宅配弁当を提供する場合は購入価格以内、社員食堂で食事を提供する場合は他の従業員に提示している価格以内でなければなりません。外国人だけ高い価格を設定することは認められていません。
申請前に確認する書類
費用負担の基準は、在留資格の申請時に次の書類で確認されます。
- 雇用条件書(参考様式第1-6号)
- 雇用の経緯に係る説明書(参考様式第1-16号)
- 1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)
このうち2種類の様式は10言語で用意されており、本人が理解できる言語で費用の内訳を示すことができます。申請前に、家賃、光熱費、食費の金額と算定根拠が明細として記載されているか、徴収禁止の費用が含まれていないか、給与から控除する場合に労使協定が締結されているかを確認してください。
Werklistでは、北欧やクロアチアにおける住居基準と家賃控除のルールも解説しています。スウェーデンの外国人労働者向け住居と家賃控除(英語)とクロアチアの住居基準と家賃上限(英語)をご参照ください。求人情報は求人一覧に掲載しています。原典は出入国在留管理庁の運用要領と労働基準法です。
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